志統館

志統館の武術は、空手、ルア、そして合気道、柔術、柔道などが全て和合された原点回帰された古武術です。

18。武道で身につく「調和」の社会性

武道で身につく「調和」の社会性

 

道場は形式の中に和があることを学ぶ場です。

 

道場の中では、子供から大人まで様々な齢の人々が一緒に練習するのですが、成果が出る練習を皆で行うとき、全体的な調和が必要になります。このためには「形式」という決まり事の中でこそ創発的な調和が可能になります。 これが武士道の規律です。

 

その形式とは、礼儀作法や立ち振る舞い、入り口で靴の向きを整えること、道場の上座(かみざ)と下座(しもざ)を意識する空間の「場」においての作法の事です。これら形式によってその空間に秩序が成立します。

 

このため、道場の空間の中では、お互いに交わす返事や挨拶、相手を気遣う礼儀を重んじます。先輩や後輩の関係性を通して年長者は年少者を見守り、年少者は年長者を敬う心が生まれます。その事を通して、いつもはヤンチャな小さな子供も、道場で場の雰囲気が読める様になり、謹むことを学びつつ、そのことで自分の可能性に気付く時間が構築されていくのです。

 

子供と大人をあえて分けないことで交わりが生まれ、先輩や後輩関係はもちろん、子供から大人への尊敬の念や大人から子供への擁護の念が生まれるのです。またこの調和の時間は、段位や年齢差などによる空気感で道場の気が締まる武士道の精神を育てます。

 

この和合した方法は、効果的な練習にも適しています。皆が混ざることで子供も大人も直ぐに上達し、上級者も子供に教える事で更に上達することは多くの先人の先生たちもご指摘しています。全体に満遍なく練習量が行き渡りますので、大人の体も温まり、子供たちが帰った後の大人や有段者の稽古時間もとても有意義な練習になります。

この形式によって、最年少の部で練習する子供たちも一人一人が責任感を持って動くで、道場内では皆しっかりと練習をこなす姿が見られます。

 

f:id:shitoukan:20211212094827j:plain

f:id:shitoukan:20211212094909j:plain

f:id:shitoukan:20211212095003j:plain

f:id:shitoukan:20211212095112j:plain