志統館

志統館の武術は、空手、ルア、そして合気道、柔術、柔道などが全て和合された原点回帰された古武術です。

19。調和から生まれる良い社会性

調和から生まれる良い社会性

 

皆が混じり合うことで効果的な練習ができるのは勿論、この感覚を身につけることで社会的にも、礼儀正しく先を読んで人に気を配る事ができる大きな人に育つ助けになります。

 

古典的武道の形式はヒエラルキー(段級)的で厳しいとか、もっと自由であるべきだと考える人がいるように、「自由」と言う意味については現在では様々な考え方があるようです。最近の文化人を中心に西洋式で特権的な自由を謳う風潮があり、今では多くの人が様々な主義主張をすることが流行している様に見受けられ、最近の学校でも、個人の自由の権利について教えてもその為に必要な要素は教えない様です。

 

しかし、自由と平等は、決め事や法律を作るだけで得られるものではありません。一人一人の努力で得られるものです。武士道は、本当の自由を手に入れるためには、気配り、思いやり、そして他人を尊重する心を持たなければならないことを教えてくれます。

そして、強引に平等を宣言するのではなく、違いを尊重することが本当の意味での平等につながるのです。そこをはき違うと皆が共存できなくなり、逆に争い事は増えて社会が混乱してしまうこともあるのです。もし社会がその路線上に陥るなら、その時は管理社会のような様な自由があるように見せかけた社会が作られ、人民が本当の自由を失う社会に向かってしまう危険性すらあります。

 

真の自由とは、一人一人の個人的な努力があって初めて達成できるとても次元が高いものなのです。武士道では、真の自由は調和から生まれ、その為には形式を重んじる個人の努力が必要になる事を学びます。これを体感で覚える事は、これからの良い社会を形成するのに必要な精神です。これは調和の精神を学ぶことを重んじる当道場が形式を重視する大切な理由です。