志統館

志統館の武術は、空手、ルア、そして合気道、柔術、柔道などが全て和合された原点回帰された古武術です。

4。明治期にはすでに変わっていた武術

明治期にはすでに変わっていた武術

 

明治時代の文献にも記されている様に、この時代までの武術は、関節技、投げ技、絞め技と当身を含む総合的なものでした。しかし大切な点は、この時点ですでに関節技や投げ技等から当身を分けた状態で拳法や殺法と称して使い分けるようになっていた事です。

 

また、同じ伝書内には明治より過去に遡る逸話や文献によって伝えられる、明治以前のかつての武術家たちの脅威的な技の要素についても言及が残っています。それによるとこれらの強力な技を持っていた古人は、殺法や拳法としての当身(打撃)に重点をおいたと推測されています。

 

ここから分かるのは、明治当時の日本武術は総合的ではあっても、すでに全体の技と当身を使い分けるなど二元的に術理が別れていた事です。そして古人の術理に対する当時の言及の様子から見て、少なくともこの時代の時点で日本の武術の本質はすでに原型からは変わっていたという事が理解できます。

 

古文書では、古人の劇的な技の秘密は、体の急所を攻撃する様々な種類の突きや蹴り、そして頭突き等の多彩で強力な当身にあると言及されています。しかし、たとえその強力な当身や打撃に重点をおいたり、それを技に加えたとしても、逸話に出てくるような骨折や脱臼を促したり、多くの敵を四方八方に投げちらしたりする古来の武術家に纏わる内容は、現実的に考え難いことです。もっとも、総合的であった頃の日本武術の伝書にも古来の技に関する明確な答えがないことから、少なくともすでに明治期には失伝していた大切な真髄が武術にはあるはずなのです。

 

 

 

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